第38回日本臨床栄養学会総会 会長挨拶
第38回日本臨床栄養学会総会
会長
福尾惠介
武庫川女子大学教授 栄養科学研究所長
第38回日本臨床栄養学会総会は、平成28年10月7日(金)~9日(日)の3日間、大阪国際会議場で、第37回日本臨床栄養協会総会と合同の第14回大連合大会として開催させていただくことになりました。先人の偉業によって引き継がれてきました伝統ある本学会総会の会長を務めさせていただくことを大変光栄に思っています。
今回のテーマとして、「次世代に伝える栄養学~人に寄り添う臨床栄養学を目指して~」を掲げています。近年、エビデンスに基づいた診断・治療が推奨されていますが、臨床栄養学分野におけるエビデンスは、未だ十分得られているとは言えない状況です。「次世代に伝える栄養学」の確立に向けて、わが国発の有用なエビデンスを創出していく必要があります。この目的を達成するためには、次世代の優秀な人材育成が欠かせませんが、人材育成は本学会の重要なミッションの一つでもあります。本総会では、「C型肝炎ウイルス撲滅後の肝疾患の栄養管理」、「腸内細菌と臨床栄養」、「体内時計と栄養」(それぞれ仮題)などの最近の課題やトピックスを取り上げて、新しい臨床栄養学の創出に繋げるとともに、大学院生を含む若手人材の研究力向上や学び直しを目的とした、教育的プログラムの充実を図り、研究者の裾野の拡大や次世代の優秀な人材育成に努めたいと考えています。
一方、臨床現場では、エビデンスやガイドラインに基づいた医療とともに、患者1人1人に寄り添った医療の重要性が再認識され、病棟管理栄養士育成の要請が高まっています。今後ますます高齢者が増加しますが、高齢患者は個人差が大きく、高齢者特有の合併症である「老年症候群」を起こしやすいため、ガイドラインのみでは対処できない場合があります。特に、1人暮らし高齢者では、より一層、臨床栄養学の本来のミッションである「人に寄り添う」対応が求められます。本総会では、これらの点を踏まえて、「臨床栄養学のあるべき未来」(仮題)をテーマに、パネルディスカッションを開催し、今後の本学会が目指すべき臨床栄養学の方向性について考えたいと思います。
学会会場周辺には、幕末に緒方洪庵が開設し、日本の近代化に貢献した福沢諭吉や橋本左内などの優秀な人材を輩出した「適塾」、中之島公園、繁華街の北新地などがあり、学会とともに、是非大阪の文化や食をご堪能いただければと思います。本総会が皆様にとって、新たな研究との出会いや有用な情報交換の場となりますよう、多数のご参加を心よりお待ち申し上げております。
第37回日本臨床栄養協会総会 会長挨拶
第37回日本臨床栄養協会総会
会長
新宅治夫
大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学分野 教授
この度、第37回日本臨床栄養協会総会を第38回日本臨床栄養学会総会との合同にて平成28年10月7日(金)~9日(日)の3日間、大阪国際会議場にて開催させていただくこととなりました。14回目となる両会の大連合大会にて協会総会会長を仰せつかり大変光栄に思っております。
さて、日本臨床栄養協会は設立当初「医師と栄養士が手を結べば何ができるか」という問いかけに端を発し、現在では全国の臨床栄養学の研究・実践に携わる医師や栄養士、薬剤師、看護師など医療専門職種が一同に会し、情報交換や研鑚を図る会に成長いたしました。今回のテーマといたしました「次世代に伝える栄養学~人に寄り添う臨床栄養学を目指して~」には医師を始めとする医療専門職種が一堂に会して臨床栄養学を高め合う場とし、これらの成果を人に寄り添う臨床栄養学として患者とともにある医療の実践に生かしていくことを願うものです。
今回も、本会の特色を継承し小児から高齢者まで各世代での問題や、各疾病の先端情報を織り交ぜたプログラムがご用意できたかと思います。
また、本会が取り組むサプリメントにつきましても最新の情報とともに、NR・サプリメントアドバイザーの実践情報としてフォーラムを予定しております。
多くの皆様にご参加いただき活気ある楽しい学会にしたいと思います。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。